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ウシジマくん「タクシードライバーくん」編のネタバレと感想

年末は自身が経営している闇金融『カウカウファイナンス』の部下である同級生である柄崎と過ごす通称ウシジマくん(以下:丑嶋)。今回は忘年会に向かう丑嶋と柄崎を乗せたタクシードライバーが主人公の「タクシードライバーくん」編のネタバレと感想をご紹介します。

話や巻数を超えてひとつのテーマを深掘りすることの多いこちらの漫画ですが、この「タクシードライバーくん」編は1話完結の短いストーリーになっています。

「タクシードライバーくん」のネタバレ


物語はタクシードライバーである足立(以下:足立)が、仕事で運転していたタクシーで水商売風の女性を轢いてしまうところから始まります。

「有馬記念で別の馬に賭けて当たっていれば仕事なんて休んでいた。」「会社がコキ使うから居眠り運転してしまった。」と嘆く足立。「これは俺のせいじゃなくて国のせいだ。」というとんでも理論で責任転嫁を始め、全く反省の様子を示しません。

事故が今年2回目でクビになることや懲役罰を気にしだす足立。しかし、あたりを見渡して誰もいないことや雪で視界が悪いことに気づき、自身が轢いた水商売風の女性をタクシーで長野の山に埋めることを決意します。

しかし、タクシーはGPSで監視されています。このままでは走行距離と売上金にズレが生じてしまい、犯行は白日の下に。そこで足立はアリバイ工作のため、走行距離と売上金額を合わせるためのお金を丑嶋に借りることにしました。

水商売風の女のカバンには300万円が

丑嶋に借金の電話を済ませた足立。午後の3時に歌舞伎町で落ち合う約束をします。その間、足立は水商売風の女をトランクの中に隠し、普段通り営業を続けます。

2人の乗客を目的地まで送り届けた足立。ふと水商売風の女が持っていたカバンに手を伸ばします。そこにはどうやって手に入れたか分からないお金、300万円が入っていました。

会社を辞め、300万を盗むんで逃げることをひそかに決意する足立。そこに丑嶋から「千葉の船橋まで乗せていけ」という旨の電話がかかってきます。丑嶋からの要請を断りきれず、丑嶋と、丑嶋に同行していた柄崎を乗せて足立はタクシーを千葉まで走らせます。

「3万円。借り入れの電話寄こしただろ?」そう言って丑嶋は千葉に向かうタクシーの車内で足立に現金を手渡そうとします。しかし、足立は「もう大丈夫です。」とこれを拒否します。

「今日でタクシーの仕事を辞める。」「急に退職金をもらえることになったので。」そう続ける足立に丑嶋は違和感を覚えます。

その時、水商売風の女が持っていたカバンに入っていた携帯電話に着信が入りました。「前の客が忘れていったもの」だと丑嶋に説明する足立。「どんな女だった?」と足立に質問しながら丑嶋はその携帯電話をチェックします。

携帯電話のチェックを一通り終え、足立がなぜ突然お金が必要でなくなったのかを見抜いた丑嶋。同時にタクシーは千葉の船橋に着き、降り際に丑嶋は「女のカバンにいくら入ってた?」と足立に尋ねます。

「俺を脅す気だ!!俺の300万を奪う気だな!?」と混乱する足立。しかし、丑嶋はそれ以上追及することなくタクシーを降車し、柄崎と共に去っていきました。

警察に自首することにした足立

丑嶋が去った後、丑嶋が携帯電話の何をチェックしていたのかが気になる足立。丑嶋がメールをチェックしていたことに気づき、「何が書いてあったんだろう」と内容を確認します。

そこには水商売風の女の息子である克哉の手術費300万円が貯まったこと。来年からスーパーのレジの仕事が見つかったこと。今まで克哉を預かってくれていた「おばば」への感謝が書かれていました。

「やっぱ見なきゃよかった。」そうつぶやく足立。警察に自首することを決め、女を隠したトランクを開けます。

てっきり轢き殺して女は生きており、足立は女に顔面を思いっきり蹴飛ばされます。

「はは。生きてたのかよ…。」顔を蹴られながらも足立はそう感想を述べ、「よかった。」とつぶやきました。

「タクシードライバーくん」編を読んだ感想


物語が短く、すぐに完結してしまう「タクシードライバーくん」ですが、「面従腹背」な人間の様子を上手く描写しているのではないかと考えます。

「面従腹背」とは、うわべだけ上の者に従うふりをしているが、内心では従わないことという意味です。「腹」は心の中のこと。「背」は背くことを指します。

この物語における足立の行動を振り返ってみると、居眠り運転で人を轢いてしまい、懲役罰になってしまうのではないかという恐怖におののくも、周囲に人がおらず視界が悪いことに気付くと隠ぺいしようと企みます。

また、走行距離と売上金を合わせ、自身が所属するタクシー会社を欺きアリバイ工作をしようとしているにも関わらず、その計画の途中では、女をトランクに入れたまま2人の乗客を目的地へ届けるなど仕事をこなしています。

このように足立は、社会の仕組みや会社に従っているようにしていますが、内心では従っておらず、自分の有利になるように行動しています。その場しのぎの短絡的な行動であることは明らかです。

他の物語が、人間の本質を問うようなディープな内容のものが多い中で、「タクシードライバーくん」編だけは読者を考えさせられるような深い内容ではなく、「こんな狡猾な人間もいますよ。」ぐらいのライトなものになっています。

余談になりますが、この「タクシードライバーくん」編の前に収録されていた「サラリーマンくん」という話が、読み進めていくごとにどんどん鬱々とした気分になる重たい内容になっています。

そのため、箸休め的な意味合いで「タクシードライバーくん」編を持ってきたとも考えられます。

この記事のまとめ
  • 「タクシードライバーくん」編は珍しい1話完結の物語
  • 主人公の足立は面従腹背をそのまま表したような狡猾な人間
  • 「タクシードライバーくん」編は他の物語に比べてライトな内容になっている

以上が「タクシードライバーくん」編のネタバレと感想です。

「タクシードライバーくん」編は12巻に収録されています。ライトな内容なので、刺激の強い描写が苦手という方にもおすすめです。

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