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付き合いのあるヤクザとの焼肉や親身にしている人物との飲み会など、食事の描写がところどころに挿し込まれているウシジマくん。この記事ではウシジマくんのスピンオフ作品で、食事シーンにスポットをあてた「らーめん滑皮さん」のネタバレと感想をご紹介します。
主人公はウシジマくんと敵対関係にあり、若琥会若琥一家二代目猪背組のヤクザである滑皮、そしてウシジマくんと親交の深い探偵の戌亥です。この2人が仕事をこなしつつ、ラーメンをすする。本編とはひと味違ったグルメな内容です。
「らーめん滑皮さん」のネタバレ
主人公の滑皮は、ウシジマと対立するヤクザであり、若琥会若琥一家二代目猪背組の組員のひとり。敵対する人間はどんな相手でも暴力で支配する人物であり、後に自分の組を構えて莫大な資産と勢力を築き上げる確かな実力の持ち主です。
一方、着実にキャリアを積み重ねていくスマートさとは裏腹に食べ方はとても汚く、初登場時には滑皮の兄貴分である熊倉に「いい男が台無し」と言われるほどで、数年経っても改善された様子がありません。
もう一人の主人公である戌亥はウシジマの同級生であり、仕事上でもウシジマと付き合いのある探偵です。探偵としての腕前は一級品で、ウシジマも戌亥の情報収集力に関しては一目置いています。
そんな戌亥の主食は駄菓子。ウシジマと一緒に作中に登場する際は必ずと言っていいほど駄菓子を大量に買い食いしており、「俺の朝食は駄菓子とコーラだ」と言い切るほど駄菓子に心酔しています。
そんな食事が極端な滑皮と戌亥がラーメンをすする、一話完結型のグルメ話が「らーめん滑皮さん」です。
基本的には滑皮が戌亥を呼び出し、「飯でも食いに行こうぜ」という流れからラーメン屋に行くという流れになっており、訪れたお店の魅力を解説しながら美味そうに飯を食うというのがスタンスになっています。
食べ方が汚い滑皮と駄菓子しか食べない戌亥。お世辞にも食レポに向いているとは言えない二人ですが、何故か美味しそうに見えてしまいます。深夜に読むとお腹が空いて眠れなくなってしまうような内容です。
また、不味いお店についての描写も描かれているのがこの漫画の特徴のひとつ。そして不味いお店で食事した後に絶品料理を出す店に行き、不味かったお店との違いを交えつつその店の良さや味について解説するという表現を用いることが多々あります。
脇役だったキャラクターが台頭
この漫画の読みどころのひとつが、本編ウシジマくんで登場するキャラクターが本編とは違う形でその魅力を出してくれること。中でも特筆すべきは暴走族・愛沢連合の元総長である愛沢です。
ウシジマくん本編において、愛沢はウシジマや滑皮に追い込まれ、保険金をかけられた上でトラックにダイブさせられています。その結果廃人化し、30巻以降では出番がありません。
しかし「らーめん滑皮さん」では、トラックにダイブさせられた後、情報教材や仮想通貨で莫大な利益を獲得。そのお金を元手に、「ラーメン爆走族・愛」というお店を構えるほどの復活を果たしています。
SNSやレビューサイトではこまめに自作自演の投稿を繰り返して話題作りに勤しみ、日々ラーメンの研究を怠らなかった愛沢は、自身のお店をラーメン雑誌で特集されるまでに押し上げることに成功。客足も伸び、お店も好調を維持しています。
「愛沢伝説第二章の始まりだぜ」と勢いを見せる愛沢でしたが、ある日、愛沢の店に自身を追い詰めた滑皮が来店。トラックにダイブさせられた時の悪夢が蘇ります。
滑皮の食い物にされることを危惧し、滑皮を包丁で刺し殺すことも考えた愛沢でしたが、滑皮はラーメンを食べに来ただけで、愛沢は拍子抜け。滑川は愛沢の作ったラーメンを褒め、愛沢は自身のラーメンをアピールするなど他愛もない会話が続きます。
愛沢のラーメンを全て平らげた滑皮は「流石は俺が見込んだ男、お前は這い上がってきた。」と愛沢を絶賛。その言葉を聞いて愛沢は感涙し、自身のラーメン屋は間違ってなかったと実感します。
しかし、これで終わらないのがウシジマくんのスピンオフ作品。滑皮は水に難癖をつけ、「水を卸すシノギを始めたから、お前の店でもどうだ。」とみかじめ料を要求するというオチが待っていました。
「らーめん滑皮さん」の感想
グルメ系の漫画は「クッキングパパ」や「美味しんぼ」のように自分で作ってみたくなるモノと、「孤独のグルメ」や「いつかティファニーで朝食を」のように、無性に何か食べたくなるようなモノの2つに分けられます。
「らーめん滑皮さん」は後者に分類されるでしょう。
「らーめん滑皮さん」は、推測の域を出ませんが、「ラーメン大好き小泉さん」を参考にして描かれているものではないかと考えられます。「ラーメン大好き小泉さん」が『深夜に読むと太る』と銘打っているように、「らーめん滑皮さん」も、夜に読むと体重増加の一因になりそうな内容になっています。
他のグルメ漫画との違い
他のグルメ漫画との違いは、ウシジマくんのスピンオフ作品であるということ。「らーめん滑皮さん」の登場人物はオリジナルではなく、ウシジマくんに出てくる登場人物をそのまま起用しています。
ウシジマくんを読んだことのないグルメ漫画好きの人が、「らーめん滑皮さん」を手に取ることによって、ウシジマくん自体にも興味を持つ。そんな橋渡しのような役割を担っている漫画とも言えるのではないでしょうか。
- 主人公は滑皮と戌亥の二人
- ウシジマくん本編では深掘りされなかったキャラクターにスポットがあたっている
- 一話完結型で、ラーメンを食べる様子が細かく描写されている
- 読むことで食欲を掻き立てられる内容になっている
- 深夜に読むと太ってしまうかもしれない
いかがでしょうか。
以上が「らーめん滑皮さん」のネタバレと感想です。
らーめん滑皮さんは2016年3月から、小学館が配信している無料のウェブコミック配信サイト「やわらかスピリッツ」に連載中で、2019年2月18日現在までに3巻まで発売されています。
気になった方は、ぜひ手にとって読んでみて下さい。