闇金ウシジマくん漫画

ウシジマくん「トレンディーくん」編のネタバレと感想

人並み以下なのに人並みの生活をしているクズや、金に詰まった人間に制裁を加えるダークヒーロー的な存在のウシジマくん(以下:丑嶋)。今回は、人間がお金以外の要因で堕ちてしまう「トレンディーくん」編のネタバレと感想をご紹介します。

この物語の主人公は二人。一人目は一妻一娘の家庭を持ち、社会的地位も確立してクライアントからの信頼も厚い鈴木斗真(以下:斗真)。そしてもう一人が美容アイテムを手掛ける実業家で、毎日パーティを主宰するアラフィフの今井万里子(以下:万里子)です。

物語は何の接点も無かった二人がひょんなことで出会うところから始まります。

「トレンディーくん」編のネタバレ

主人公の一人である斗真はクライアントからの信頼も厚く、社会的地位も確立している会社員。妻子持ちで俗にいう「勝ち組」の人間です。しかし、それは斗真が演じている表の姿。いい社員、いい夫を演じることに退屈を感じています。

その退屈さを埋めるためにナンパで女性を引っ掛けたり、出会い系を使ったりと、日々浮気を繰り返します。匂いが残らないように着替えを用意するなどアリバイ工作は完璧。引き出しやキャッシングの履歴を残さないように、浮気の資金を丑嶋から調達しています。

もう一人の主人公は美容家で実業家の万里子。アラフィフながらも抜群のプロポーションを誇り、同性から多くの支持を集めています。美容関連のイベントに登壇して自身が手掛けた美容グッズを紹介し、時には自身が主催するパーティの参加者を募ることも。

「愛されれば愛されるほど女はキレイになる」を信条としており、人とのつながりを常に求めている万里子。キラキラした現状を保つため、そして自分自身を好きでいるために見栄を張るパーティジャンキーの一面も持ち合わせています。

そんな二人の出会いは斗真のナンパ。遊び人の友達と「どちらが年の離れた女をナンパしてお持ち帰りできるか」というゲスなゲームで斗真が万里子に声をかけたのがファーストコンタクトでした。

ゲームに勝つために軽い気持ちで声をかけた斗真と、たまたま声を掛けられた万里子。ここから二人の関係が始まります。

愛に目覚めた斗真と、それを利用する万里子

当初、遊びのつもりで万里子に声を掛けた斗真でしたが、万里子が醸し出す年上女性の魅力へ徐々に引き込まれていきます。

万里子もそれを受け入れ、万里子の家で過ごすほどの関係になりました。

幾度か逢瀬を重ね、万里子に対する愛に目覚めた斗真。普段はいい社員でありいい夫である自分を演じていますが、万里子の前では素を出すようになります。

一方の万里子はそんな斗真の感情を利用し、弄びます。「一番に愛された実感が欲しかったんだもん。」と、斗真の娘が入院した日に斗真を呼び出したり、斗真の娘の誕生日に斗真を呼び出したりと、自分と家庭を天秤にかけさせるような真似をします。

退屈さを埋め、自分をさらけ出すために万里子と浮気をする斗真と、愛されているという実感が欲しくて斗真を利用する万里子。歪な二人の関係は徐々に終焉へと向かいます。

お金以外の原因で堕ちていく二人

歪ながらも関係を続けていた二人ですが、破滅への道を歩み始めます。

上手くアリバイを作りながら浮気をばれないようにしていた斗真でしたが、斗真の妻は斗真が浮気をしていることを薄々感づいていました。斗真の妻が雇った探偵に浮気現場を撮られてしまいます。

さらに、万里子の前に浮気相手として遊んでいた女が妊娠。

家族を裏切り、人を傷つけてまでして自分は何を守りたいのか分からなくなってしまった斗真。「仕事のできる、家庭思いの男を演じることなく、あるがままに人を愛したい。」そう願いながら斗真は万里子のことを思います。

一方で、キラキラした生活を守るため、そして、自身が手掛ける美容商品のブランドイメージを保つために外見ばかりを磨き続けていた万里子の身体は、その反動で体がボロボロになってしまっていました。

さらには自身が手掛けていた事業が詐欺だとして訴えられてしまいます。

自身の欲望と不安解消のために女を利用していた斗真は心の拠り所と自我を失い、愛情をずっと感じていたかったがために外見を磨き、斗真を利用していた万里子は自身のブランドとキラキラした生活を失ってしまいました。

「トレンディーくん」編の感想

自分を良く見せようとすることは日常ではよくあることですが、自分を良く見せようとし過ぎて一線を越えてしまったのが斗真と万里子ではないかと考えられます。

着飾ることは決して悪いことではありませんが、やり過ぎるとかえって自分の首を締めてしまう。「トレンディーくん」編は読者にそのことを伝えたかったのではないでしょうか。

珍しくお金絡み以外の要因で堕ちる話でしたが、自分の生活水準以上にお金を使いすぎて行き詰ってしまう債権者と、自分の器以上に自分を大きく見せすぎて行き詰ってしまったこの二人本質的には同じです。

「身の丈にあった生活」と良く言ったりしますが、無理せずに生きることが一番ということ。まして自分を大きく見せるために誰かを何かを犠牲にしてしまうと、そのツケが回ってきてしまうということですね。

この記事のまとめ
  • 主人公は会社員の斗真と実業家の万里子の二人
  • 斗真はできる男、いい夫を演じており、そのことに退屈を感じている
  • 万里子は自身のブランドとキラキラした生活を守るために外見を磨いている
  • 斗真は女を利用し、万里子という女に利用される
  • 斗真も万里子も最後はお金以外の要因で堕ちてしまう

いかがでしょうか。
以上が「トレンディーくん」編のネタバレと感想です。

ウシジマくんは過激な描写があり、過度な表現がある漫画ですが、この「トレンディーくん」編ではそのような描写は特にありません。ですので、刺激の強い表現がある漫画が苦手という方にもおすすめです。

「トレンディーくん」編は20巻~21巻に収録されています。読んだことがないという方は、ぜひ手にとって読んでみて下さい。

既に読んだという方も、読み返すことで新しい発見があるかも知れませんよ。