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かつての仲間であっても、けじめはしっかり付けさせるウシジマくん(以下:丑嶋)。この記事では、「逃亡者くん」編のネタバレと感想をご紹介します。
蛇腹組の飯匙倩との一件(ヤクザくん編:33巻~36巻)で丑嶋を裏切った格好となったマサルは丑嶋から身を隠すために沖縄へと逃亡。丑嶋の元に居た頃のように闇金を行っていました。
一方の丑嶋も飯匙倩との一件以降、蛇腹組から追われる身となり、自身が社長を務める闇金会社「カウカウファイナンス」の部下である柄崎と一緒に台湾へ身を隠すことに。その途中、経由地として沖縄に立ち寄ることとなります。
「逃亡者くん」編のネタバレ
飯匙倩との一件で飯匙倩に丑嶋たちの情報を売り、丑嶋を裏切った格好となったマサルは、丑嶋から身を隠すために沖縄へと逃亡。「村田仁」という偽名を名乗り、金城という男の元で闇金を始めます。
沖縄に来た当初、身寄りも仕事も無かったマサルに金城を紹介したのが、風俗店を経営している仲間という男。ある日マサルは仲間に呼び出され、仲間が経営している店で遊ぶように頼まれます。
「女を買う気分じゃない。」と乗り気ではなかったマサルでしたが、金城を紹介してもらった恩もあり、結局仲間の要望を飲むことに。そこで出会ったのが、保育士をしながら風俗嬢として働いているのどかでした。
初対面ながらも、のどかの人柄や優しい一面に惹かれたマサルは、立て続けにのどかを指名。のどかと親睦を深めていく中で、のどかが母親の借金を返すために風俗の仕事を行っていること、のどかの母親が金城から借金をしていることを知ります。
さらに、のどかの母親のことについて調べていく過程で、のどかに結婚歴があることや元旦那に暴力を受け、金をせびられていることも発覚。このことから、マサルはのどかを救うことを決心します。
同じころ、飯匙倩との一件で蛇腹組から追われるようになった丑嶋は、柄崎と共に台湾へ身を隠す準備のため、沖縄を訪れていました。
マサルからケジメを取ろうとする丑嶋
沖縄での滞在期間は3日。以前マサルが「沖縄で水商売をやる」と発言していたことを覚えていた丑嶋は、マサルが沖縄にいると睨み、台湾に渡るまでの3日間でマサルを見つけ、裏切ったことに対してのケジメをつけさせようと計画します。
同行していた探偵の戌亥の協力もあって、丑嶋はマサルが闇金で働いていることや、その働き先を突き止めることに成功。新規の客を装ってマサルに近づきます。
マサルをおびき出した丑嶋は、マサルの視界を奪った上でマサルを拉致。重機が格納された倉庫に監禁します。
死を悟ったマサルは死ぬ前にのどかを救うことを考え、「かわいそうな母子を救うために2時間だけ時間が欲しい」と丑嶋に懇願。丑嶋はマサルが救おうとしているのどかを担保に、マサルが丑嶋を裏切った際に奪た金の在り処まで案内するようマサルに指示します。
丑嶋に奪った金を引き渡したマサル。いよいよ丑嶋に殺されると覚悟を決めましたが、丑嶋からはそれ以上のことは何もされずに解放されました。
丑嶋にとって自分は取るに足らない存在だと自尊心を傷つけられたマサルは、「コケにしやがって丑嶋ァッ!!」と丑嶋に食って掛かります。
「テメェの生き方だけは絶対認めねェ」と、なお悪態をつくも、「あんたからもっといろいろ教えてほしかった」と思いのたけをぶつけます。
「じゃあ教えてやるよ。」マサルの思いを聞いた丑嶋はマサルを殴りつけたのでした。
マサルとのどかの別れ
マサルが丑嶋と別れてからおよそ半年後。マサルはのどかの元を訪れます。この半年の間に、のどかと元旦那の間で離婚が正式に成立。のどかを脅かすものはなくなっていました。
「元旦那は二度と沖縄に足を踏み入れることはない」と、のどかに語りかけるマサル。同時に自分の本名が加賀勝であることや、東京で悪さをして沖縄に逃げてきたことを打ち明けます。
犯罪者の自分がのどかに関わると、のどかの平穏な生活が崩れてしまう。「今日でさよならだ。」マサルはのどかにそう告げました。
「逃亡者くん」編の感想
自身の母親を債権者にされたマサルと丑嶋の長きに渡る因縁が決着した「逃亡者くん」編では、それまであまり深く描写されることのなかったマサルにフォーカスを当てています。
特に注目する点は、マサルの心境の変化ではないでしょうか。これまでのマサルは私利私欲のために動き、人を駒や物としてしか扱うことがありませんでした。しかし、「逃亡者くん」編では自分の命を諦めてでも、のどかを救おうとしています。
丑嶋も債権者の事をクズ呼ばわりしており、そういった点ではマサルと共通していますが、柄崎などの自分に近い人間を大切にし、例え債権者であってもきちんと返済してくる者や更生した者は認めるというスタンスを取っています。
丑嶋を復讐の対象として見ていたマサルでしたが、丑嶋の元で働くにつれて丑嶋は復讐の対象と同時に親や兄のような存在に。そしてマサル自身も丑嶋のように自分に近い人間を大切にしようとしたのではないでしょうか。
- 丑嶋を裏切ったマサルは「村田仁」という偽名を使い沖縄に逃亡
- 沖縄での生活中、マサルは風俗嬢ののどかに一目ぼれをする
- のどかが元旦那から脅されていることを知ったマサルはのどかを守ることを決意
- 追われる身となっていた丑嶋も台湾へ難を逃れる途中で沖縄を訪れていた
- 丑嶋は台湾に渡るまでの3日の間にマサルからケジメを取ろうと計画する
- マサルから奪われた現金を返してもらった丑嶋は、それ以上マサルに何もしなかった
- のどかの平穏な生活を守るため、最終的にマサルはのどかの元を去った
いかがでしょうか。
以上が、ウシジマくん「逃亡者くん」編のネタバレと感想です。
「逃亡者くん」編は36巻~39巻に渡って収録されています。読んだことがないという方は、ぜひ手にとって読んでみて下さい。
もう読んだことがあるという方も、読み返すことで新しい発見があるかも知れませんよ。