闇金ウシジマくん漫画

ウシジマくんのあらすじと読んだ感想!グロテスクが怖い人はNGかも

2004年から『ビッグコミックスピリッツ』で不定期連載されている通称「ウシジマくん」。映画化やドラマ化もされており、ビッグコミックスピリッツの顔といっても過言ではない漫画です。

読んだことはなくても、名前を聞いたことはあるという人が大半ではないかというこちらの漫画。この記事であらすじや2chでの評価、作者の真鍋昌平氏はどんな人なのかについて触れていきます。

ウシジマくんを一通り読んだことがあるという方は今一度の振り返りに。ウシジマくんを読んだことがないという方は、読む前の参考にぜひ活用してみてください。

ウシジマくんのあらすじ


主人公であるウシジマくんこと丑嶋馨は、闇金会社「カウカウファイナンス」の経営者。かつての同級生である柄崎や加納が脇を固めるこの会社には、「奴隷くん」と呼ばれる人々が毎朝9時に訪れていました。

それはパチンコに依存する主婦らのこと。丑嶋は彼女達に3万円の現金と引き換えに5万円の借用書にサインさせます。通称「ヒサン」。ウシジマくんはあらかじめ金利・手数料2万円を引いた金額を彼女らに渡しており、彼女たちはその日中に5万円を返済しなければなりません。

そんなカウカウファイナンスで通常設定されている金利は10日5割。通称「トゴ」。

10,000円が10日後には15,000円に…。放っておいてしまえばとんでもない返済額になってしまいます。

常識的に考えれば、すぐに首が回らなくなり破滅をしてしまうような暴利ですが、普通の消費者金融ではお金を借りられなくなってしまった人たちがウシジマくんの会社に次々とやってきます。

悪でありながらも廃れることなく社会の一部として存続する闇金。そして闇金を取り巻くヤクザや半グレといった別の悪。そして、そんな悪に手を出してしまった、お金に困る人たちの日常と哀れな末路を描いたヒューマンストーリーです。

ウシジマくんを読んだ感想


闇金は「闇」と名の付く通り、法律を守らず営業している金融機関。言ってしまえばです。しかし、これは漫画だけの話ではなく現実にも存在し、今なお犯罪の温床として存続し続けています。

特に日本人は建前や上辺だけで人付き合いをし、きれいごとを並べて平穏な日々を保とうとしています。ですが、建前やきれいごとだけで全てを解決できるわけではありません。

時としては、倫理や道徳に反してでも成し遂げなければいけないこともあります。生きるために法を犯してしまう人もいます。

そんなどうしようもないことに焦点を当て、深堀りして漫画化していることがウシジマくんの魅力のひとつです。

ウシジマくんを読んで、最も考えさせられたのは、お金の重要性・魔力についてです。

上の画像の女性は「うっかり9万円のアウター、カードで買っちゃった」と話しています。

きちんとお金を管理している人であれば、9万円なんて大きなお金をうっかり使うことはまずありません。お金の流れが見えにくいカードで支払っていることから、現実逃避をしているようにも見えます。

「自分バカ」と反省の色を見せるも、最終的には「まあいいや!」で済ませてしまいます。

上の男性は、パチンコで当たったことで気を大きくし、当たった後も打ち続けた挙句に結局2万円スッてしまいました。

「一箱積んだ時やめればよかった。」と話しますが、後悔先に立たずとは正にこのことです。

ウシジマくんに出てくる債権者のほとんどがお金に無頓着で無計画です。

その場しのぎや一時の感情で物事を判断し、突発的にお金を使います。遠くを見据える能力が欠落しているので、計画的に物事を判断することができません。

そんな人たちが10日5割という暴利の借金、きちんと返済できるでしょうか。答えはNOです。

最終的にはお金に追い詰められ、破たんしてしまいます。

お金が全てではありませんが、何をするにもお金が必要です。お金をぞんざいに扱えば、痛い目に遭ってしまう。これは漫画だけでなく現実でも言えることです。

破たんする人間の末路を大々的に描くことで、我々読者にお金の持つ怖さを教えてくれています。

また、お金が持つ魔力は、時として人間を大きく狂わせます。

ある少年たちは、ニセの運転免許証を使って闇金から金を借り、闇金が法的に認められていないことを逆手にとって借金を踏み倒すという方法でお金を荒稼ぎしようとします。

闇金自体も確かに違法なのですが、人を騙してお金を取る行為自体も、もちろん犯罪です。まして闇金にいる人間は法外にいるアウトローな人たちで、バックにヤクザや暴力団が付いていることもあります。

しかし、楽にお金を手に入れたい、そのお金をもっと大きくしたいという邪な感情が、一線を越えさせるのです。お金の魔力に憑りつかれてしまうと、正常な判断ができなくなってしまいます。

お金の魔力に憑りつかれてしまったものは、お金の魔力で破たんします。結局彼らは計画の綻びをウシジマくんに突かれ、多額の借金を背負うことになります。

悪事はバレるというのを如実に伝えている場面ですね。簡単に手に入れたお金は簡単に使ってしまいますし、お金は正当な手段でコツコツ稼ぐの一番というのが伝わってきます。

お金を無心にする人間やお金の魔力に憑りつかれた人間に制裁を加える立場のウシジマくんですが、ウシジマくん自身も債権者のことを「クズ」と呼び、「人間と思うな!金にならねェ」と金づるのような扱いをしています。

「売春ネタで脅して400万ゲッツだ!!」と、時としては法外な方法でお金を搾取することも厭いません。

そもそも闇金自体が違法ですし、ある種上記のような破綻してしまう人間よりもウシジマくんのお金に対する執着心の方が異常に映ります。ウシジマくん自身もお金の魔力に憑りつかれた人間ですので、ウシジマくんもいつかは破たんしてしまうのかも知れませんね。

2chスレの評価は高い?


ここまでウシジマくんのあらすじと読んだ感想を紹介しましたが、世間からの評価はどうなのでしょうか。ここでは2chでウシジマくんがどのような評価をされているのかご紹介します。

全国の小中高の全クラスに最低サラリーマンくん編までは置くべき

リーマンとタクシーは道徳の教材として利用すべき

受験勉強の糧になるぞ
反面教師として申し分ない内容やからな

あれ読むと「ワイもこうなったらどうしよう…」って怖くなるわ

あれがリアルとは思わんけど確かにちゃんと勉強して就職しようって気持ちにはなるわ

一番多かったのが「ウシジマくんに出てくる債権者を反面教師にするべき」というものでした。

上記でもご紹介したとおり、ウシジマくんでは自己管理ができない人間やお金に憑りつかれた人間たちの末路を描いたものが多い漫画です。

ウシジマくんを読んで、「あそこまで地に落ちたくない」「ああいう人たちにならないようにしないと」という考えを持つ人が多いようです。

変に影響されてウシジマの真似する奴が出てきそう

学生「はぇー闇金って楽しそうやね ワイも闇金目指すで!」

あれ読むとグロすぎて吐きそうなほど気分悪くなるから止めろや
ガキに読ませるものちゃうわ

子供が拷問真似しだしたら洒落ならんやろ

一方で、変な影響を受けて変なことをしだす人が出てくる可能性があり、読むべきではないという評価もありました。確かに小さいお子さんが読むべき内容ではありませんね。青年誌で連載されているのはそのためだと考えられます。

就活中に読んでクッソ憂鬱になったわ

就職浪人してた頃読んで悲しい気分になったわ
あれは安定してる人間しか読んじゃダメや

また、ウシジマくんに出てくる登場人物と自身の境遇を重ね合わせて憂鬱な気分になってしまったという意見もありました。

ウシジマくんの会社でお金を借りた債権者は、ほぼ全員が悲惨な末路を迎えています。「自分もああなってしまうのだろうか」と漫画を通して不安になってしまう方も多いようです。

みんなまともな環境で育ってまともな人格なわけじゃないから
「こうなりたくないな」と思う人もいれば「拷問で口にドライヤーいれるの試してみたい!クラスの陰キャで試すべ!」ってなる奴もいる

漫画の特性もあってか、2chでは賛否両論で評価が分かれているようです。

ウシジマくんって怖い?怖がりでも読める?


結論から言うと、漫画の内容はかなり過激で怖いものになっています。

人を殴る場面や流血。グロテスクな表現が多々登場し、汚い言葉遣いや乱暴な言葉遣いが飛び交うといった、暴力的なシーンが多くみられます。

中には借金を踏み倒そうとした債権者を山奥に拉致して…なんてシーンも。

そのため、暴力シーンが苦手という方や、過度な表現が苦手という方には確かに刺激が強い漫画だと言えます。

しかし、ウシジマくんで描写されているシーンは、何も暴力的なものばかりではありません。

債権者はほぼ全員が悲惨な結末を迎えると紹介しましたが、中にはあることをきっかけに更生し、真人間になる登場人物もいます。

そして、債権者であっても更生した人間や真面目に返済してくる人間に関してはウシジマくんも人として認めています。

確かに暴力的なシーンやグロテスクなシーンは多いですが、人は何かのきっかけで変われるということを教えてくれますし、なによりお金について深く考えさせられる漫画です。

過激な描写が苦手な方でも、ぜひ勇気を出して一度読んでみてはいかがでしょうか。

完結ってしてるの?最終巻の予想は?


2019年1月22日現在、ウシジマくんはビックコミックスピリッツに連載中ですので完結はしていません。

しかし、2019年1月21日発売の『ビックコミックスピリッツ 2019年08号』において、ウシジマくんがあと5話で完結するという情報が発表されました。

現在44巻まで出版されており、2019年1月30日前後に45巻が発売されることが予想されているので、46巻が最終巻になるものと考えられます。

最終巻の予想ですが、ウシジマくんは新宿に残り、闇金業を続けるという結末になるのではないかと予想されます。根拠としては、作中に未来の描写があり、そこでウシジマくんが借金の取り立てをするシーンが描かれているからです。

最新話でウシジマくんは敵対している滑川に命を狙われており、最終的にウシジマくんは死ぬのではないかとも言われていますが、未来の描写がある以上、その可能性は限りなく0に近いと言えます。

しかし、その未来のシーンでは、柄崎が登場しません。そのため、柄崎が自分の命を賭してウシジマくんを守り、滑川から逃がす。もしくは滑川と相打ちになるといったケースも考えられます。

いずれにせよ、あと5話でウシジマくんは完結です。最後にどのような結末を迎えるのか、注目です。

作者「真鍋昌平」ってどんな人?


ウシジマくんの作者である真鍋昌平氏は、神奈川県茅ヶ崎市出身。小学校の頃にドラえもんを読んで感動し、漫画家を志し始めたという経緯があります。

1993年に渋谷パルコのフリーペーパー『GOMES』でデビュー。2000年からは『月刊アフタヌーン』に「スマグラー」「THE END」を連載します。

そして2004年から『ビッグコミックスピリッツ』で「闇金ウシジマくん」の連載を始めるのです。

そんな真鍋昌平氏ですが、取材の仕方が細かいことで知られています。

ホストの寮に取材へ訪れた際には、冷蔵庫やごみ箱をくまなく調べた後に排水溝の髪の毛を写真に収め、やくざの事務所に取材に訪れた際には「上下関係や人間関係が垣間見えるから」と湯飲みの裏や冷蔵庫、金庫を調べようとし、親分に「そこはちょっと……」とたしなめられたというエピソードも残っています。

https://platform.twitter.com/widgets.js

また、美味しいものには目が無いらしく、Twitterには食事の写真や、自身でうどんを作ったことも載せています。

https://platform.twitter.com/widgets.js

この記事のまとめ
  • ウシジマくんはお金に困る人たちの日常と哀れな末路を描いたヒューマンストーリー
  • ウシジマくんはお金の大切さについて教えてくれる
  • 2chでの評価は賛否両論
  • ウシジマくんには過激な表現が多いものの、一度読んでみる価値アリ
  • 最終巻は46巻。ウシジマは新宿で闇金を続ける可能性大
  • 作者の真鍋昌平氏は取材で一切の妥協を許さないグルメな漫画家

ウシジマくんの結末と、真鍋昌平氏の最新作に注目しましょう!